オークション相場での売却査定。買取り屋さんの特徴と傾向

　オークションへ流通（出品）させる事を前提とする　”オークション流通系”　とやや似ていますが、こちらはオークションへの流通有無に関係なく、また小売（ユーザーへの直接販売）の視野も入っているが、直近に開催されたオートオークションデータの中から適価（落札価格）を拾い出しそこから査定価格などを決定していく相場基準の事を差し、一般的に　【オークション相場】　と言います。　比較的ローカルな中古車販売店での下取り、及び中古車販売店系の買取り屋さん、その他比較的小規模なローカル買取り屋さんなどで多く見られるのも特徴のひとつと言えるでしょう。

　ちなみに、大手買取り店などで　”オークション流通”　を売りにしたお店のほとんどでは、こういったオークション相場ではなく　”オークション流通系”　の相場基準である場合がほとんどで（但し表向き）、その辺り一応補足程度までに（ごちゃごちゃ分かり難くてスミマセン）。

　オークションでの落札価格は、事実上　クルマ屋さんにおいての最も高い仕入れ原価の一部でもあるため、自動車流通市場から考えると、業界内においては　買取りや下取り査定の中では最も高額傾向にある相場基準とも言われております。　またオークション、、、　とは言いつつも、実際には小売直販系に近い特性などもあり、こちらも時として　突発的な高値更新の可能性も秘めているとも。　【→　事例】

　査定はかなり単純・大雑把である場合がほとんど。　査定手始めにおいての車両チェック＆採点評価結果をもとに（もちろん採点も意外とシンプルで大雑把系かな）、過去1か月以内程度のオークション取引き情報（落札相場情報）の中から（業者専用のオンラインデータとかオークション相場ブック等から）　その査定車両と同等、もしくはかなり近い車両の取引き状況（主に落札価格）をある程度ピックアップし（収集・かき集める）、その平均的な落札結果から査定価格を決めるというー　意外とアナログチックで原始的、かつ大雑把な査定方法とも。
（※　もちろん落札結果　＝　査定価格ではありません。　もちろんそこから必要経費とか相場変動リスク、修繕費、その他調整を行った上での査定結果となります。　またここで用いる落札相場情報は、自動車業界、かつ会員資格などをもつ特定の事業者にしか流通していないものであり、ネット検索で簡単に得られるような情報などでは御座いませんので、その辺りは誤解などなきように願います）

　またピックアップ（落札価格）するタイミングや人によっては　これら収集されるデータに多少の誤差や偏りが出て来るため、時期やお店、そもそもその査定価格を決定する人が違えば査定結果までが違ってくる事も。

　ちなみに、ここで使われるようなオークション取引き情報（落札相場情報）には、基本、かなり最低限な情報でしか掲載されていないため（一般的には　年式/車種/グレード/おおまかな装備品・オプション品/走行距離/ボディカラー/修復歴の有無と評価点（？　評価点とは）程度。　なお画像関連の掲載やキズ凹み故障等の情報は一切ありません）、そういった面からもかなりの大雑把さがうかがえようかと。

　尚、修繕費などは実費計算（定価。但しここもかなりザックリ・どんぶり勘定）にての単純な差引方式が基本と言えるでしょう。

　先ず冒頭付近で、この相場基準は　「高め傾向」　であると申しましたが、その他長所なども加えておきますと、、、
�@　アバウトなので、ちょっとしたキズとかタイヤの溝とかで細かく言われない。　　�A　壊れている電装品など、けっこう見落としてくれることもあり（ラッキー）。　　と、こういった傾向もそこそこ見られるかな。

　ちなみに短所・デメリットに関しましては、、、
�@　高いナビやエアロなど、自慢の装備品や特別装備とかが付いていても、あまり評価してくれない事も多い（チェック票には書いていてもスルー）。　　�A　必要と見られる修繕費はザックリ実費での差引方式なので、そのお店の概算具合によってはかなりの減額となってしまう場合も。　　�B　そもそも相場基準には一定するものがありませんので、お店や査定スタッフ等の好き嫌いで（直ぐに売れそうかそうでないか、その他個人的な好み等で）　かなり大きくマージンがとられることもあり（マージンを取る　＝　査定を下げて転売利益を多く確保する事）、場合によってはかなりの激安査定となってしまう事も（特に下取りなんかは一方的市場であるため（下取りしたくなくても下取りしないと商売にならない等）、この傾向は意外とそこそこ見られますよ）。　　�C　それと特に事故車（過去に修復した歴アリのクルマ）。この場合には予想よりもかなり低い査定となっている可能性も高く、この点にもかなり細心のご注意などのほどを（オークションの取引き情報/落札相場情報には細かい修復の度合までは掲載されていないので、極微な修復歴でしかない車に対し　大きな修復歴の有るクルマの落札情報で査定されてしまうと、、、　また細かい情報がないゆえ、事故車となると過敏に大きく必要以上にマージンどりに走る傾向（→　類似例）もそこそこと、、、）。