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TOP PAGE > ブログ&ニュース > ここだけの話。査定士だからと言って安心は出来ない。

査定士だって査定ミスは少なくないです。それは何故なのか、、

 世の中 ”中古自動車査定士” という資格があるという事は、このサイトでも頻繁に出てまいりますので ご存知の方も多いかと思われます。 また査定士という資格証を見れば、、 誰もが安心して査定してもらえる事でしょう。

 但し! 査定士だからと言って 査定のエキスパートではない 事には十分ご注意くださいね〜

 だって、、

査定士資格は机上試験

 そもそも査定士の資格って、配られる参考書と講師のお話(講習)を三日間ほど受け、筆記試験(ペーパーテスト)に合格しさえすれば手に入る資格。

 ただ、若干の自動車販売経験と(たったの半年以上。 しかもその経験というのも実に曖昧で、実際査定士試験や講習の現場に行けば、どう考えても事務員のようなスタッフもちらほらと。。) 査定業務実施店(査定協会へ賛助金を支払ってくれる登録店) に勤務しているという前提は最低限必要ですが。 あ、それとそこそこ高い受講料の支払い。

 つまり、これまで自動車の洗車しかした事のない人でも〜 ボンネットすら開けたことの無い人でも〜 机上で勉強さえすれば十分手に入る資格でもあり、また講習や試験で実車に触る事もありませんので、事故車の見分け方すら全く分からなくても手に入る資格なんです。 まるでペーパードライバーみたいな資格。(まだ自動車免許なら実地試験がある分まだまだレベルは高いかも。 ちなみについ先日おじゃました講習会会場では、”バン” って何? とか、年式の見方すらも全く分からない中古車販売店の女性スタッフが講習を受けていましたが、机上の勉強はかなり優秀のようで、後はご想像にお任せ致します;)

 一応ビデオ講習にて一回こっきり数十分程度 ”事故車の見分け方” というものがありますが、はっきりいってそんなの見た程度では 素人がネット等を参考に手さぐりする方がまだマシなくらいです。 もちろんテストでは事故車の見分け方なんて一切出てきません。 (査定の評価をする上で、予め事故車だったと仮定されて問題が出ますので、見分けられなくても何ら問題ない)

 もちろん試験自体のハードルもそこそこ低く、ペーパーテストで70点が合格ライン程度のもの。(全国平均で合格率80%くらいだそうです)

 それでも査定士の査定だからと言って安心出来ますか? (査定ミスとか)

しかも、講習は試験勉強が中心でしかない

 それから私もそうなんですが、査定士講習を受けた方ならだれもが思う事があります。

 試験に出やすい部分しか重点的に講習されないんです。 また暗記のポイントも要所教えてくれ、、(試験にほぼ出ないとされるポイントは完全スルー。 講師が覚えなくてもいいと言うくらいですから ^^;) 何のための講習&試験なんだか。。

 それでも査定士の査定だからと言って安心出来ますか?

じゃあ、一体何のための資格なの?

 ちなみに、ここまでコテコテに言っちゃうと一体査定士ってなんなの? 何のため? と思われるかもしれませんが、

 そうですね、、

 査定士である事の唯一無二の技術は ”採点技術” でしょうか。 この大きさのキズは○点減点、事故車だった場合の係数や減点、、 とか、標準走行距離より実走行距離が少なければ キロ数に応じていくら加点、、 とか、査定士であれば誰が査定しても点数が同じになる公平技術。 ここが最大のポイントと言っておきましょうか。(もちろんこれら点数表は別途ありますので、計算機があって表さえ見れればそれでOK)

 なお、点数はあくまで点数です。 その点数を査定価格へ反映させるのはあくまでクルマ屋さんや買取り屋さん。 つまり、例えば同じ100点評価の車でも〜 お店によって50万円だったり60万円だったり。。 ^^; (じゃあけっきょく、お客様にとっては何のための採点なのやら。。) 【※ 関連 → 査定士資格を持つ車屋の本音

 つまり、値付けをする幹部がその場に居なくてもその車の状態がおおよそ把握できるので、、 会社にとってもお客様にとっても不利な査定ミスが少なくなる。 と。 (あ、でも、査定士資格を得るには現車を見分ける技術は一切必要ありませんから、結局は査定ミスはなくならないのが現実) また資格証あれば見た目にも良いので、お客様の手前 ”ハク” も付く、、 みたいな。 (車屋さんの本音としては後者の方がウェイト重いかな)

 それでも査定士の査定だからと言って安心出来ますか?

ちなみに査定ミスが多いのは?

 これは圧倒的に ”下取り査定” でしょう。

 何故なら〜 自動車販売店は ”売る” のが主役。 下取りは二の次の業務ですから、評価忘れ・見逃しはもちろんの事、(良い意味でも悪い意味でも。 また結局は車が売れればいいので、面倒なところは故意に飛ばす方も) 微妙な査定や分かりにくい査定はけっこう適当な部分も多いですし、(分からない場合には会社にとって損のない有利な選択をしておいたり(査定ミスや損害で会社に怒られないための逃げ策)、多目にマージン(低めの査定評価)を取っておくとかもあります) そもそも会社自体からして査定へ力を入れていない事も多いですから、(この業界、販売戦略講習とか営業会議は日常茶飯事でも、査定に関する会議なんて聞いたこともありません) ましてや日常的に査定をしているわけでもなく- 決定的に経験不足の査定士が多いのも事実だったりもし、

 まあいわずもがな。

 それでも査定士の査定だからと言って安心出来ますか?

 但し、買取り専門店だからと言って100%安心できるとも限りません。 また下取り査定でも、かなり経験値の高いスーパーエキスパートな査定士だって多くいらっしゃいますので、(元・大手買取り専門店という営業マンも多いです) どちらがどう絶対と言う事もありません。 またこれら予め十分ご留意等のほど願います。

査定ミスを回避する唯一無二の方法

 なお、さらにここまで言っておいて不安をあおりながら締めくくってしまうと 夜もおちおち眠れない方も続出してしまいそうですので、一応 ”査定ミスを回避する” なんちゃらについてもフォローを。

 それは他店でも査定してみる他方法はないでしょう。 (下取りなら他の買取り店などで

 またこういった査定による点数うんぬん、そもそもその評価点を実際の ”額” にして出すのはお店や会社の方針次第。 なのでもし査定ミスなくとも、ひょっとしたら他店での買取りや下取りの方がめちゃめちゃ良い値になるかもしれませんし。。 (同じ店で念を入れて再査定、、 といった手もありますが、ただそれってちょっと言い難いですし、何より ”嬉しい誤算的査定ミス” だった場合は逆に、、 という事も!?)

 この記事に目を通されたのも何かの縁。

 もし気にかかるなら是非ぜひ。 また以上、皆様のお役に立てる部分御座いましたら幸いです。

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 自動車業界20年!な、車屋さんの私が運営管理する 車買取に関するニュースとか情報、時には裏話とかの・・・ ニュース&ブログ (← そのまんまやないかいっ!)。

当ブログは私が執筆しております

業界20年超の自動車販売店経営者。 もちろんお店は日本自動車査定協会認定の査定業務実施店、かつ私個人も中古自動車査定士資格保有者。 本業人ならではの視点と知識をぎっしり詰め込み執筆しております。

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